この記事では、ウユニ塩湖でキャンプをするための、準備や注意事項、および実際に行った感想をお伝えします。

ウユニ塩湖は地球の反対側にも関わらず、圧倒的絶景により多くの人を引きつけています。一面の塩原や天空の鏡面、宇宙の中にいるような星空など気象条件や時間帯によって異なる顔を見せてくれます。ウユニ塩湖を満喫するためには、湖上に滞在することがオススメです。

First Option はウユニ村への滞在とツアー利用

ウユニ塩湖観光をする際に、一つの大きな選択となるのが湖上に滞在するかウユニ村に滞在するかという選択です。多くのツアーオペレーターのオフィスはウユニ村に位置しています。また、ウユニ村では日用品や食料の購入ができ、容易に文化的な生活ができます。

ウユニ村とウユニ塩湖の入り口は10km ほど離れており、ほとんどの場合は移動にツアーを利用することになります。ツアーは多くの見どころを回れる1Dayツアーや、星空や夕焼け、朝焼けをみるツアーなど様々です。しかし一つ難点があるとすれば、何かと人が周りにいることです。例えば混載ツアーでは、その日にツアーにいきたい人たちが、複数グループ集まって4WD車に乗車し、目的地に向かいます。ツアーのコストは車単位にかかる経費が多いため費用を抑えることができます。特にHodaka Tour などは日本人に人気のツアー会社で、混載の対象も日本人であることが多く安心で、出会いも期待できるかもしれません。しかし、絶景を観ていたいのに集合写真に参加させられたり、風景を撮影したいのに、モデル気取りの勘違い野郎がピースしてくるリスクがあります。

一方でEPCのような人嫌いはプライベートツアーがオススメ。特に気兼ねなく、ドローン撮影をしたり、不謹慎ジョークをいうことができます。プライベートツアーでは、風景を観ている間はガイド兼ドライバーが気を使って遠巻きに待っていてくれます。とは言え、人目があるというのがプライバシーを重要視する我々にとっては課題となります。やはりウユニ塩湖のような大自然の中では、「広大な場所に自分たちだけ」というシチュエーションを堪能したいものです。それを実現するためには、湖上への滞在が選択肢に入ってくるかと思います。

湖上にはいくつかの素敵なホテルがありますが、キャンプをすることもオススメです。

塩湖の中心部にある塩のホテル

1泊20万円からのKachi Lodge

キャンプのメリットとして、費用が安いことや他の宿泊客から離れられることがあります。そして何より広大な空間を独り占めにできます。音楽もかけることができます。満点の星空の下で音楽を聞くのは格別です。ウユニ塩湖の岩塩を使用した地産地消クッキングも楽しめます。

デメリットとしては、緊急時のサポートが限定的なこと、準備が面倒なこと、季節によっては圧倒的な寒さなどが問題となり、一定のキャンプ経験があることが望ましいでしょう。

我々が実施したキャンプの全体像はこちら

準備

現地には、キャンプのオプションがあり、一式準備してくれるツアー会社もあります。その場合はこの章を読み飛ばしてください。ちなみにこの準備は、鏡面が観られる雨季のキャンプを想定しています。

事前準備するもの

キャンプ道具一式

テント、コンロ、寝袋、ランタン、懐中電灯など基本的なキャンプ道具を用意しましょう。現地調達も不可能ではありませんが、ネット上のウユニ村の店舗情報は古いことが多いです。現地の人に店を聞くなど一定の努力を要します。また日本のように気の利いた便利グッズは売っていませんので注意が必要です。特に風対策、塩対策を念頭に入れた用意をお勧めします。

防寒具

ボリビアは緯度は低いですが、ウユニは富士山超えの高地です。3月のウユニ塩湖は、気温は一桁台前半まで下がることがあります。万全の防寒でいきましょう。冬キャンプ対応の寝袋やカイロなども用意することをオススメします。

参考までに私の防寒コーデはこちら

トップス

  • ウルトラライトダウン
  • ヒートテック
  • ジャージ
  • フリースアウター
  • ウルトラライトダウン
  • ポンチョ(現地調達)

ボトムス

  • 裏起毛スウェットパンツ
  • アウトドアパンツ
  • 靴下
  • 狩猟用靴下(アラスカで購入)
  • 長靴(現地ガイドのホセから強奪)

上記の防寒でも早朝にテントの外で長時間朝焼けを待っていると寒いです。コーヒーを入れましょう。

ちなみに日中はTシャツで余裕の暖かさでした。

現地調達するもの

ガスボンベ

大半の場合、塩湖場で炊事をすることになると思いますが、高圧ガスは飛行機に持ち込めませんので、どう頑張っても現地調達する必要があります。売っている店を発見するのは至難の業ですが、雑貨屋で販売していました。

SIM カード

緊急時にツアーガイドやファーストレスポンダーを呼ぶための通信を確保することが望ましいでしょう。ウユニ塩湖上では、Tigoというキャリアの通信がかろうじて入ります(場所によると思われる)。塩湖の通信環境はとても快適にネットができる代物ではありませんが、テキストメッセージの送受信ぐらいは可能です。

ブルーシート

これに関しては、我々は完全に忘れていたのですが、雨季の塩湖は湿っており、いくら防水のテントでも塩水が染みてくるのは間違いありません。マストアイテムです。現地の建設資材を販売している商店で調達できます。

食料

肉や野菜などの生鮮食品はマーケット(セントラル・デ・ウユニ市場)で、調味料や水はなどはスーパーで調達できます。なお、塩は買い忘れても問題ありません。

セントラル・デ・ウユニ市場の内部

スーパーマーケット、規模は大きくないが、クレジットカードが使える

医薬品・医薬部外品

ウユニ村では多数の薬局を発見することができます。ウユニ塩湖観光に必須の日焼け止めをはじめ、ダイアモックスやアセトアミノフェンなどの高山病予防および症状緩和関係の処方薬も処方箋なしで手に入ります。服用は禁忌を避けて用法用量を守りましょう。必要な薬品のスペイン語名称を調べておくことをオススメします。

ポンチョ

アンデスの伝統あるポンチョの風除け効果は絶大です。ウユニ村を歩いていればいくらでも見つかります。写真映えもするし、お土産にもぴったり。

移動

ウユニ塩湖キャンプサイトまでの移動にはツアー会社に頼みましょう。我々は当日の交渉で、日没前のドロップオフと翌朝8時のピックアップのみのプランを交渉しました。値段は6000円程度でした、なお価格は原則車単位ですのでグループの人数が増えれば、一人当たりの金額はやすくなります。(5~6人まで)

ロケーションと問題

我々は鏡面を観たかったので、鏡面ギリギリの乾いているところにテントを貼りたいとガイドにお願いしました。

こんな感じで薄く張った水が近くにあるものの、地面は湿っている程度の場所

問題①硬い地面

最初にウユニ塩湖の地を踏んだ時の最初の印象はとにかく硬いこと。感覚としては氷に近いです。踏むたびにバリバリと音がしますが、溶解と結晶を繰り返したウユニ塩湖の表面はまるでアスファルトのように固かったです。これによる最大の問題は、テントのペグが全くもって刺さらないことです。我々はペグ打ちを諦めた結果、テントを飛ばされる羽目になりました。

もし長期滞在する場合、アンカースクリューなどの氷上キャンプの装備を用意することをオススメします。

問題②高地順応問題

実は我々がキャンプを実施したのは、なんと到着したその日。高地順応期間で、もっとも高山病のリスクが高い期間です。激しい運動を控えることが推奨されています。しかしそもそも順応しきっていない我々の運動機能は極端に低下しており、テントの組み立て等の際も、動きすぎないように気を使いながらの実施となります。間違ってもチームへの貢献度を示すために自ら積極的に動くことは推奨されません。

悪徳医師により高地での運動機能の低下の実験台となったKATOH

問題③強風

予想はしていましたが、吹きさらしの塩湖は風が強いです。風が強くなるのは日の出と日の入りの前後です。テントや私物の飛翔に注意する必要があると同時に、ガスコンロを使用しても点火は困難でした。風防を用意した方が良さそうです。

問題④蠢く水

これは最大の誤算なのですが、我々は水が動くことを想定していませんでした。水と陸の境界、湖岸というものは確かに降雨などで多少の変化はあるとしても、短時間でダイナミックに動くなど想像しづらく、湖岸が大きく変わるはずがないと思い込んでいました。。しかし、ウユニ塩湖特有の極端な平らさと強風によって、塩湖の水は加熱されたフライパンの水のごとく移動することを目の当たりにします。

夕方18:00-19:00

奥には鏡面、テントの場所は若干湿っているものの雨の日の地面と考えれば対処可能なレベル。

ここをキャンプ地とする。

夜19:00-20:00

この日はほぼ満月, 月が出ている間は星はあまり観られない。

水位が上昇し続ける中、我々はアウトドアクッキングを実施。コック不在のアウトドアクッキングは、ツアコンが塩胡椒を忘れたことを皮切りに混乱に陥る。しかし塩には困らない。なぜならここは塩湖だからである。その辺の湖水を濃度不明のままステーキ肉にぶっかけるという暴挙の果てに高血圧必須の高塩分料理が完成。ステーキ表面の塩が濃すぎて唇に深刻なダメージを与える。

フライパンの底に塩が析出するという前代未聞のステーキ。インシデントレポートもの

夜20:00-21:00

一帯は完全に水没してしまい、2-3cm程度の水が張ってしまっています。ブルーシートがなければ、電子機器から衣類まであらゆるものが塩漬けになっていたことでしょう。ちなみに塩湖には5-6cmの水位になるところもありました。場所や季節によってはスノコで高床にするなどの対策が必要かもしれません。

一帯は完全に水没、水面に反射するテントが風情

この日は満月のため月が沈むまで星がよく見えません。そこで月が沈む3時ごろまで睡眠を取ることにしました。

明方3:00-6:00

36時間のフライトと順応しきってない高地環境で疲労はピークです。しかし星を見るためには、気合いで起きなければなりません。30分ぐらいかけて何とか起きました。すると寝る前まではそこにあった水がなくなっているではありませんか。残念ながら天地がひっくり返るような宇宙の写真を抑える事はできませんでした。

ドライランドと化したテント周辺、水を巡って戦争が起きかねません

ドローンのフライトが可能なレベルまで空が明るくになり次第、我々は自体の究明をすべく周囲一帯を捜索、テントから1kmほど東に水を発見しました。

水は1km先に、観光客多数。ドローン撮影

したがって、テントを張ってしまうと移動した水を追跡できないという問題を発見しました。自転車やバギー、セグウェイなどがあると移動しやすくなると思います。

ウユニ塩湖でのドローンオペレーションについてはこちら

問題⑤暗黒とツアー4WD

月が沈んだウユニ塩湖は漆黒そのものです。にも関わらず星空観察や朝焼け鑑賞ツアーのための4WDが行き交っています。明確な道路がない塩湖ではヘットライトだけが頼りです。我々のテントの周辺も複数のツアー4WDが通過していきました。そのうち1回はかなりのニアミスで、危うくテントに突っ込むところでした。安全のためにランタンは常灯していたのですが、ドライバーもあまり障害物を想定していない事もあり、安全のためにサイリウムや反射材をつけておくと良いと思いました。翌朝タイヤ痕を確認したところ、例の4WDはテントから1.5m-2m横をかすめていたことがわかりました。

テントがなければ方向感覚を失うほど暗い, 満点の星

問題⑥塩の呼吸

一晩のキャンプを経て、我々のずさんな検疫体制が塩のテント内への侵入を許してしまいました。特に開けっ放しのテントの出入り口で、風になびいたタープの裾が塩湖表面の塩水を巻き上げテント内部へと塩水を巻き込んでいました。我々はこれを「犬の舌現象」と名付けました。キャンプ終了後には、ウユニの宿でテントを洗って干すことを忘れずに。

我々のがウユニ村のバックオフィスとしたHotel Aguilarでは中庭と屋上に物干しロープがあり、塩まみれになった衣服やテントを干すのに最適でした。

まとめ

ウユニ塩湖でのキャンプは間違いなく、EPCのキャンプ史上もっとも素晴らしい体験でした。風は強く、塩水が迫り、夜は寒くこれまでのキャンプの数々の中でも一段と厳しいものだったのは確かです。ウユニ塩湖の主役は空なのです。水があれば天空の鏡、乾いていれば天空のレフ板で、世界でもっとも平らな場所が確保する広大な視野に描写される360°全天球は、抜けるような青空、燃えるような夕焼け、黄金のマジックアワー、天夜の月に満点の星空、物凄まじい朝焼けと多様な顔をみせてくれます。

ただ夕焼けを見るだけの時間を是非。

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著者情報
Masaki Katoh
Tokyo, Japan
技術責任者兼デザイナーとして空撮ドローンを用いたPV撮影からWebページ制作まで幅広く担当する主要な実働部隊。必要なものはなんでも作るがやる気スイッチが不明、特に脳筋的な努力を嫌うため、肉体的に辛い行程には率先して抗議活動を行う。美しく奇妙な景色を追い求めるためにEPCにいる。普段は丸の内で外資系コンサルとして活動し、趣味は宇宙開発。

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