【絶景ドローン】Killing Me Saltly 〜ボリビア,ウユニ塩湖と宝石の道の旅PV〜 を公開しました。

チャンネル登録者の少ないEPCですが、多方面から歴代最高と評価いただいており、素直に嬉しい限りです。そして、昨今絶景を舞台にした映像を作る上で欠かせないのがドローン撮影です。今回はドローン撮影の舞台裏を紹介していきたいと思います。 今回は現地運用レポートです。

Contents

実際にウユニ塩湖で空撮した映像がこちら

人生を変える3分間
短編ではカットとなってしまったウユニ塩湖の全絶景を1時間の癒しBGMにのせました。
ウユニ塩湖で空撮する為の事前準備についてはこちらをご覧ください

空撮に適しているウユニ塩湖の環境

結論から言うと、ウユニ塩湖および宝石の道での空撮オペレーションは最高の経験でした。普段は規制の厳しい日本で肩身の狭い思いをしているドローンファンとしては、包括的な法規制が未整備のボリビア は天国です。広大な大地と息を飲むような数々の絶景はまさに空撮冥利に尽きます。

使用機材:DJI Mavic 2 Pro

今回、旅の相棒となった機体は、DJI Mavic 2 Pro、世界のドローンマーケットの覇権を握る中国DJI社のフラッグシップモデルです。障害物センサー、強風検知や自動帰還モードなどの安全飛行サポートシステムが搭載されており、それらを統合した音声サポートも付いているため、オペレーターが撮影に集中することができます。また折りたたんで持ち運びができるものの、展開すると中型ドローンの大きさとなり抜群の飛行性能を発揮します。画像センサー(カメラ)に 2000万画素、1インチのHasselblad L1D-20c を搭載していることで、業務用空撮機さながらの緻密な映像を4Kで撮影することができ、仕様上は最大8km遠方まで飛行する事ができます。

よかった点

ほとんど障害物がない

ウユニ塩湖はとても平らです。世界一平らな所な訳ですから、基本的に障害物もありません。周囲に人や車がいなければ、かなり大胆な飛行にも挑戦できると思います。

人がいない所が大半

特に宝石の道上の絶景スポットでは極端にはほぼ人が住んでいません。観光客も疎らな為文字通り誰一人映らない自然の風景を撮影する事ができます。安全面でも魅力です。

興味深い絶景多数

宝石の道は、特異な風景の連続です。砂の砂漠、岩石砂漠、カラフルな湖、雪が被った山などなど…まるで世界中の秘境を一度に旅しているかのようなバラエティに富んだ風景を楽しむ事ができます。

注意すべき点

ウユニ周辺の有名どころは、他の観光客に注意

Train Graveyard(列車の墓場)や夕方の鏡面ポイント等は、それなりの観光客が集まります。他にドローンを飛ばしている観光客がいる場合もあります。ドローンどうしの衝突に注意を払い、他の観光客に近づきすぎないようにして人々の安全、静けさおよびプライバシーを尊重する必要があります。

日中の列車の墓場はポージングする観光客多数、人を回避したければ明け方がオススメ

とにかく塩に注意

ウユニ塩湖は文字どおり塩だらけです。地面は塩でできており、地面から数メートルの高さでは常に塩を含む風が吹いています。また、人気の撮影タイミングである、鏡面時は足元は海水の5倍以上の濃度での塩水が張っています。精密機器にとって、塩水は脅威です。

  • 輸送時は防水ケースに入れる
  • 離着陸時は機体が直接塩に触れないように工夫する
  • 長時間のフライトの際は、可能な場合は高度をあげる
  • 飛行後のメンテナンス(塩抜き)を徹底
ブルーシートの水滴が乾くと立体的な塩の結晶ができる

各種システムのエラーに注意

ウユニ塩湖および周辺のスポットでは、飛行に必要な各種システムに不具合が生じるケースがありました。これはウユニ固有の現象というわけではなく、落ち着いて対処すれば全て対処可能なものです。

  • コンパスエラー: 特に火山帯や岩場で周辺の磁気コンパスエラーが発生します。サポートに従ってコンパスキャリブレーションをすることで多くの場合解決します。解決しない場合は場所を移動してみてください。
  • 通信エラー: ガイドが使用している車載無線の影響により通信エラーが発生する可能性があります。多くの場合車から離れることで解決します。
  • ビジョンセンサー: ウユニ塩湖のだまし絵作用で、ビジョンセンサー(障害物センサー)が誤作動する場合があります。明らかに何もないところで障害物検知して停止してしまうことがあります。広くて安全が確保される場合はスポーツモード(安全装置オフ)にするのも一つの手です。
ウユニ塩湖はだまし絵写真で有名だが、画像センサーも騙されてしまうのか

高地ゆえの飛行性能の低下に注意

ウユニ塩湖は標高3700m、宝石の道の最大標高は4500mです。この高度では大気圧は海抜0m に比べて60%程度になり、従ってプロペラが発生させる揚力が低下します。加速減速性能、最高速度、上昇性能、滞空時間等のの基本的な飛行性能が低下します。特に小回りが効きに食い、止まりにくい点は、安全飛行に大きく影響します。間違っても普段の感覚で寸止めしようなどと考えないでください。

特に、上昇しているときに”Max Motor Speed Reached” というステータスになります。これはモーターの回転数が最大に到達しており、これ以上出力をあげられないということを意味します。 制御に制限がかかることを念頭におきましょう。また、この状態がを続けているとバッテリーの消費が激しくなります。余裕を持って帰還させましょう。

強風に注意

ウユニ塩湖は強風で有名です。小型のドローンであれば流されてしまったり、風に煽られて墜落してしまう可能性があります。強風の警告が表示されたり、挙動が不安定な場合は風が止むのを待つ方が懸命です。出力が足りなくて風に流されてしまい自分のところに戻せない場合は、スポーツモードをONにする(安全装置が切れる)事で出力スピードをあげる事ができます。

工夫が必要なのは離着陸時

ウユニ塩湖のドローンオペレーションで工夫が必要なのは離着陸時です。表面が完全に乾燥している場合は、ランディングパットやシートを敷くか飛行の後に塩を拭き取れば問題ないでしょう。しかし雨期のウユニ塩湖表面は濡れている事が多いです。また、有名な鏡面を押さえるためには、水が貼った塩湖上に繰り出さなければなりません。私が鏡面上を歩いているときもっとも感じたのは「今電子機器落としたら終わる」という感覚です。撮影なしに呑気に感動できる人は羨ましいなと思いました。

ハンドリリース、ハンドキャッチ

人間が立つ事さえできれば、どんなところでも離着陸させられるのがハンドリリースとハンドキャッチです。慣れている人にとっては、簡単かつ確実なのでこれで良いと思いますが、ローターで手や指を怪我する可能性があります。特にハンドリリースは片手が塞が塞がるため画面の操作が難しいのが難点です。着陸の際のハンドキャッチは比較的簡単です。

ハンドキャッチの一部始終

ケースの上から離陸

塩水が張った塩湖上からは防水の保管ケースをLanding Padとして使用して離陸させる事が多かったです。ハンドリリースに比べて、両手が開くので、離陸前に各種設定をしたり、Auto Take Off 機能を使用できます。逆に面積の小さいケースの上に着陸させるのは至難の技なので、ハンドキャッチがオススメです。

鏡面上からの離陸

ボンネットからの離陸は失敗

車のボンネットは、安定した比較的広い面なので魅力的なのですが、金属なので磁気センサーにエラーが出でしまい、離陸できませんでした。

鏡面の夕焼けを眺めるダイニングをセットアップするホセと離陸準備をするKATOH

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5 Comments

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