皆さんこんにちは、先日浅間山にてドローンを飛ばしてまいりました。そのために必要な手続きや注意点についてまとめていきます。浅間山は標高2,568mの活火山で、黒斑山、牙山、剣ヶ峰などからなる外輪山の一帯は、都心からのアクセスもよくカジュアルに楽しめる登山スポットとして人気です。

準備編

都会ならまだしもほとんど人の住んでいない山なんだから別に自由に飛ばしていいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そもそも浅間山の多くの土地は行政の管理している土地のため、原則としてあらゆる活動に許可が必要であり、例外的に登山やハイキングが許可されているというのが国有林や国立公園位置づけです。したがって狩りや採集と同様にドローンの飛行にも許可が必要です。もちろん飛行場所・方法によって必要な申請は異なりますが、一定の条件下であれば入林届けの提出のみで飛行させることが可能です。

尚、ドローン撮影の際の推奨される登山ルートについては以下の記事を参考にしてください

Step1 飛行計画を作成する

飛行計画では、飛行する日時、飛行の目的、飛行経路(範囲)、操縦者、同行者等をまとめます。

飛行する場所の選定については、一度足を運んで見てみる(ロケハン)のが望ましいですが、難しい場合は地形図、Google Map、他の方のDrone撮影動画等を複合的に判断しながら飛行経路(範囲)を決めます。

また飛行する日時については、可能であれば他の登山客が少ない平日や早朝を狙うことがおすすめです。混雑している時間帯だと他の登山客が多く飛行できない場合があります

Step2 申請をする

一口に浅間山と行っても、国有林、国立公園、私有地等土地の管理者が複雑で一体どこに何を申請すればいいのかわからない!という方のために簡単に整理したいと思います。

まずフライト自体が航空法の規制対象かどうか判断が必要です。高度150m以上の飛行、緊急用務空域での飛行、夜間飛行、物件投下、人・建物から30m以内の飛行、目視外飛行をする場合は国土交通大臣の承認が必要です。オンラインで申請できますが、最低10時間以上のフライト経験が必要です。

航空法規制の対象外の場合でも、国有林でのドローンの飛行には、所管森林管理局による入林届の承認が必要です。浅間山は長野県・群馬県にまたがっているため、必要に応じでいづれかまたは両方の局に入林届を提出してください。浅間山周辺は長野県側が東信森林管理局、群馬県側は妻吾森林管理局となります。多くの森林管理局がドローン飛行専用の書式を提供しています。国土交通省の全国包括許可を取得していても入林届は別途提出する必要があります。尚入林届けは国土交通省の全国包括許可を取得している場合でも別途提出する必要があります

個別の調整が必要なケース

飛行経路によっては次のような地域を含む場合があり、それぞれ個別の調整が必要です。調整が必要な地域と管理者として、次のような例が挙げられます鳥獣保護特別地域(各都道府県)、国立公園第3種特別地域(環境省)、私有地(土地所有者)。尚私有地に置けるドローンの飛行高度についての民法上の明確な規定はありませんが、トラブル回避の観点から可能な限り許可を取得することが望ましいでしょう。

飛行経路(範囲)が特別地域かどうか不明な場合については、入林届(飛行計画)の提出の際に確認すると調べてくれる場合があります。

絶対に墜落させてはならない

万が一ドローンが墜落した場合、第三者に危害が加わる可能性があるだけでなく、墜落した機体は自ら回収することが義務ずけられています。ドローンの落下・衝突により野生生物を損傷させた場合、落下したドローンを回収せずに放置した場合等には、自然公園法や国立公園集団施設地区等管理規則の規程に反する行為に該当し、罰則が適用される場合や必要な措置(原状回復等)を命じられる場合があります。登山道を外れて墜落したドローンを回収する場合、ロープアクセス専用の業者に依頼する必要があり費用が数十万を超えます。

山間部における墜落リスク要因

樹木等への衝突

墜落の原因として最も多いのが衝突です。必然的に山間部には樹木が多いため、最新の注意が必要です。飛行中はドローンから目を離さずに周囲の樹木から安全な距離を飛行させましょう。間違っても木々をすり抜けるアクロバット飛行など厳禁です。空撮の場合、撮影画面をモニターすることも多いと思いますが、その場合は操縦者以外に必ず監視員を設けることが必要です。

バードストライク

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浅間山には多くの野鳥が生息しています。ドローンと鳥が接触した場合鳥に危害が加わる可能性があるだけでなく、高確率で墜落の原因になります。小型の鳥はドローンを襲うことは少ないですが、カラスや猛禽類は他の鳥類を狩る習性がある他、繁殖期の巣営地の近くではドローンを外敵と判断して威嚇してくる場合があります。周囲に鳥がいる場合は飛行させない、鳥が接近して来た場合は飛行を中断しましょう。万が一ドローンが鳥に襲撃された時は、鳥のメカニズム上垂直移動が苦手なため、緊急回避行動として急上昇又は急降下させることで襲撃を交わすことが出来る場合があります。

電波障害

山間部では地形や地質、基地局による電波干渉、磁気干渉の発生頻度が高いため、制御の喪失に注意しましょう。万が一に備えて離陸地点への自動帰還機能のあるドローンを使用し、飛行中も通信状態に気を配りましょう。また、谷など周囲を高い山に囲まれている場合、GPSシグナルを受信できない場合があります。

ダウンフォース(下降気流)

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山の気流は複雑です。特に山頂付近や尾根付近では上昇気流や下降気流が発生します。常に意図しない挙動をしていないか気をくばる必要があります。下降気流に巻き込まれてドローンが墜落しないように、出力の高い機体を選択することも一つです。

運用注意点

墜落だけでなく、様々な注意事項があります

自身の安全を第一に

浅間山は初心者にも優しいと言われていますが、一歩間違うと死ぬスポットは多くあり定期的に事故が起きています。滑落や熱中症に気を付けましょう。操縦中はドローンだけで無く周辺にも注意を配る必要があります。

第三者の安全・安心を確保する

人気の登山ルートであり休日の日中などは多くの登山客で賑わいます。ドローンの離発着地点及び飛行ルートは他の登山客から十分に(30m以上)離れている必要があります。一方で登山のルールとして、指定された登山道から離れて原野に踏み出す事は安全性と動植物保護の観点で推奨されません。操縦しながら周囲に人がいないことを確認したり、必要に応じて一時的に登山客を足止めすることを想定した監視員を配置しましょう。同行者には目的と役割を説明して協力を仰ぎましょう。

第三者のプライバシーを尊重する

顔が識別できる距離、倍率、解像度での撮影は避けましょう。また浅間山付近は、温泉地としても栄えています。露天風呂周辺にでの飛行は、施設の許可が無い限り不可能です。盗撮の疑いをかけられる可能性があるだけで無く、実際に撮影をしていなくても利用客に不安・不信感を抱かれるでしょう。

相対的な高度オーバーに注意する

航空法による高度の制限(150m)は地表からの高度です。従って山頂からドローンを飛行させた場合、水平に飛行させても山頂を離れた分だけ高度は上がります。意図せず150mを超えないように、注意が必要です。尚、DJIのドローンの場合は最大高度

を事前に設定し、限界になると自動で停止する機能(Geo Fence)が搭載してあります。忘れずに設定しましょう。

対策

上述したようなリスクに対する対応策として、以下のような一般的な施策がを実施してください。

大前提として、飛行経路に応じて必要となる許可をとることは必須です。

十分にメンテナンスされた、性能の良いドローンを使用する。使用するドローンは障害物検知や自動帰還などの安全飛行機能を備えた機種を選択し、飛行前安全点検を実施してください

操縦者以外にドローン監視員(2名以上を推奨)を配置し、関係者は役割や所属を示すビブスや腕章を着用して下さい

おすすめの撮影ポイント

1.トーミの頭 /黒斑山

おすすめ度⭐️⭐️

飛行安全度⭐️

黒斑山の一部であり、手軽に行ける浅間山の展望台として知られるトーミの頭。黒斑山より100m低いものの、標高2,300mからの浅間山近景を眺めることができます。ただし、トーミの頭のみを目指すハイキング客も多く、休日の日中などは人が多すぎて飛行は難しいでしょう。周辺は切り立った崖であり、墜落した際の回収も困難を極めることになりそうです。また離着陸地点の周辺には木が生えているため注意が必要です。

2.蛇骨岳/仙人岳

おすすめ度⭐️⭐️

飛行安全度⭐️⭐️

浅間山を囲むように北西側に連なる外輪山の一つで、迫力ある浅間山を間近で眺めることができます。山の尾根に当たりますが、比較的広いため離着陸地点を確保しやすいです。周辺は絶壁のため墜落した際の回収はかなり難しいでしょう。

3.Jバンド

おすすめ度⭐️⭐️⭐️

飛行安全度⭐️⭐️

浅間山を一大パノラマとして見渡すことが出来る絶景スポットでありながら、群馬側は比較的なだらかな傾斜になっており、周囲と距離がとりやすく、群馬側であれば万が一の墜落時も回収は不可能ではないと思われます。

4.賽の河原

おすすめ度⭐️

飛行安全度⭐️⭐️⭐️

外輪山に周囲を囲まれた平原地帯です。山頂からの絶景とまではいきませんが、平地のため離着陸地点の確保と墜落時の回収も可能と思われます。低木への衝突に注意が必要です。

以上、浅間山でドローンを飛ばす方法についてでした、山間部でのドローンの飛行にはリスクが伴います。河川敷や室内練習場などで十分な技量を摘んできおきましょう。その他EPCのドローンについては以下をご参考ください。


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写真で振り返る長野・浅間山エリア夏のレジャー | EAT PRAY CARP · 7月 31, 2021 at 12:33 am

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