こんにちは、デザイナーの加藤です
ついにはじまった【宝石の道】ボリビア-チリ自転車旅行!
私はいつも準備がギリギリになってしまう傾向があり、ツアコンを苛立たせていますが、今回も例に漏れずロゴはつい先日完成し、Tシャツも無事完成しました。
データ納品から2日でTシャツが家に届くのは、首都東京のなせる技ですね。
Contents
今回の旅のタイトルは”Killing Me Saltly”に決定
様々な、タイトル候補の中から、オンライン上のアンケート結果(N=9)を踏まえてタイトルを決定。
2003年のいまいち評価のよくない18禁映画のタイトルを捩って、塩湖の塩とかけています。映画Killing Me Softly は、美人人妻の主人公がイケメン登山家に浮気をして人生の歯車が狂っていくと言う話ですが、不倫ドロドロ映画というよりは、サイコパス系サスペンスという感じです。全体的に評価はいまいちですが、後半のどんでん返しはサスペンスとしては、一度見ておいても良いかもしれません。
1979年のヒット曲 に Killing Me Softly with his song という曲があり、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。
その他、採用されなかったものの秀逸なタイトルたちはこちらをご覧ください
タイトルに込められた意味
塩をテーマに複数の案が提案されましたが、Killing me saltly はこれまでにない極限環境に置かれる自分たちの心境と、高地で電解質のバランスを失っていくであろう自分のホメオスタシスの限界を皮肉っています。また、これまでにない距離と絶景を見据えて、センセーショナルな単語を使用してこれまでの旅との差別化を図っている節があります
Saltly vs Saltily 論争
実は、このタイトル”Killing Me Saltly” のsaltly という単語がちょっと論争を生みました。そもそもsaltlyなんて単語あるのか、正しくは saltilyが正解なのではないかという意見が寄せられました。killing が動詞なのでSaltily はSaltの副詞であるべきです。一般にSaltを形容詞化するとsaltyであり、saltyにlyをつけたSaltilyが正しいのではないかという意見が寄せられました。
まあ結論から言うと、どちらも正解です。
実はSalt は一般的には名詞ですが、形容詞として使う事例もあります。例えばsalt water のsaltは形容詞です。形容詞のsaltを副詞化したのが、saltly というわけです。辞書によっては、両方載っていたり、どちらか一方しか載っていなかったりします。
塩時計のモチーフ

シェフKosugeのほかと一線を画すアイデアに即採用。割れた塩時計から落ちる塩が塩湖の塩をなるというモチーフは、目的地のアイデンティティを明確に示しつつ。割れたガラスの破片が暗示する危うさが今回の危険いっぱいの旅にぴったりです。そして、今回はSASAKENとRIKUTOの卒業旅行を兼ねています。それぞれがモラトリアムからプロフェッショナルへの道を歩き始め、いつまで続けられるのかわからないという不安と寂しさをを二度と戻すことのできない塩時計が感じさせます。
実際の製作
今回のロゴは、極めて難易度が高かったです。なぜなら、イメージ通りの印象を与えるには、塩やガラスの質感を再現する必要があるためです。通常であれば、フリー素材を活用して工数削減をすることも多いのですが、今回はフルスクラッチで実施しました。
まずは、物質のディテールを観察するために画像を収集します。
線画を作成します。

質感を表現して、背景色を調整し、完成したのがこちら。

背景は夜の静けさを表現したいという事と、塩湖の白を際立たせるようにほぼ黒のグレーににしました。
そしてTシャツがこちら

いつもより、時間をかけて作った今回のロゴは、文字通り世界に一つ、われわれがこれまで作ったTシャツについてはこちらをご覧ください。
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