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はじめに
「旅をしないと死んでしまう。止まったら死ぬ。マグロと一緒だよ。ツナ☆」
早いもので前回の長期旅行である南米ボリビア旅行から3年がたった。学生時代は半年ごとに海外旅行をしていたことから考えると、随分長い時間だ。パンデミックが終息した。私は、その間に社会人になり、幸いにも仕事で海外に行くことも何回かあった。以前のような野宿や空港泊をすることは少なくなり、快適さは増えた。しかし、どうだろう。心の底から突き動かされるような旅はできているだろうか?
「他人に生き方を説くことは、溺れている人に岸から泳ぎ方をアドバイスするようなものだ。」
サマセットモームの月と6ペンス。真面目な英国の銀行マンが突如、妻に離縁を切り出し、タヒチで画家になる選択をした。そう。溺れているのだ。息をするためにはもがくしかない。空気を求めるように海外へ。そんな衝動に突き動かされるものこそが、旅と呼べよう。旅慣れや、ライフハック、快適、QOL、コスパ、、、
そんなチンケな言葉から遠いところに行こう!
まだ見ぬ自分に会いに!
旅の目的地:ナミビアの理由
前回ボリビア〜チリにまたがるアタカマ砂漠を現地ツアコンのホセが運転する4WDで旅をした。砂漠はすごい。砂漠は広い、ミクロで見ると荒涼として、人間を寄せ付けない雰囲気であるが、マクロで見るとその壮大さが逆に人間を包みこむようでもある。日本に帰ってから数年、思えば私たちは砂漠に取り憑かれていた。
世界には有名な砂漠がいくつか存在する。まずはエジプトのサハラ砂漠、次にモンゴルのゴビ砂漠、そして最後にナミブ砂漠。
当初、私たちはモンゴル遠征を検討していた。草原にゲル。遊牧民と家畜。最高のシチュエーションだ。しかし、国際運転免許が通用しない問題や気候の問題で、その標的は徐々にナミブ砂漠へシフトしていった。
ナミブ砂漠は赤みを帯びた、世界一美しいと称される砂砂漠である。アクセスの悪さから日本人には馴染みがないが、以前は歌手のミシャが現地から中継を繋いで歌を披露したことがあった。
今回、私たちは砂漠に引き寄せられた。せっかく砂漠にいくのなら、運転手付きなんて生優しいものではなく、自分単体で砂漠に包まれたい。そう考えて、レンタカーにテントを積み込み、砂漠を彷徨う選択をした。
ルート・日程

ナミビアは首都ウィントフックを中心に観光名所が点在する。旅の最終目的地であるナミブ砂漠は南部に位置する。空港から出発し、まずは北から反時計回りでナミビアという国を走破することになった。仮にも、社会人であるため、死闘の末に勝ち得た、9日間の休暇を目一杯に使ってもスケジュールはカツカツであった。現地での時間は発着日を含めて6日間である。
1日目
昼 ウィントフック空港着
ウィントフック空港〜エトーシャ国立公園(4時間30分)
2日目
エトーシャ国立公園探索(3時間)
エトーシャ国立公園 〜スケルトンコースト入口(4時間)
3日目
スケルトンコースト入口 〜スワコプムント〜シュピッツコッペ(5時間)
4日目
シュピッツコッペ〜スワコプムント〜セスリエム(6時間)
5日目
セスリエム〜ウィントフック(4時間)
6日目
昼 ウィントフック空港発
旅の魅力、観光ポイント
①エトーシャ国立公園

アフリカと言えば、というサファリ。自らの運転で国立公園内を探索しながら動物を探せることが魅力である。キリンやゾウやライオンは珍しいため、見られればラッキーといったところでるが、正直動物園でも見られるので、現地で出会した野生動物がそのハードルをいかに超えてくるかが注目される。
②骸骨海岸(難破船、オットセイ)

波が荒く、難破船が多発したと言われる、ナミビア西部の海岸。こちらもドライブできる。荒れ狂う海と砂漠が面する幻想的な風景が期待される。オットセイなどの海獣との交流もかかせない。
③ナミブ砂漠(Dune45、デッドフレイ)

ナミブ砂漠は南部に位置しており、訪問すべきポイントが何箇所か存在する。その中でも有名なのが上記の2箇所である。日没と日の出時には、一瞬の絶景を作り出すようで、タイミングも重要になる。旅のハイライトとなるだろう。
出発前に必要な準備
①レンタカー予約
広大なナミビアを短期間で周遊するためにレンタカーは必須である。ウィントフック空港には大手レンタカー会社が数社あり、ここで借りるのがよいだろう。今回、Hearzレンタカーでインタネット予約をした。大型SUVで予約したが、実際には4WDのTOYOTAのFortunerを借りた。やや燃費は悪かったが、走破性は良好であった。
②キャンプサイト予約
ナミブ砂漠観光の拠点となるセスリエムのキャンプ場はNWRが管理する国営キャンプ場であり、繁忙期は混雑するようで、事前予約が必要だ。NWRのウェブサイト(https://www.nwr.com.na)から予約可能である。
目標
概して旅は突然クライマックスとなり、一瞬の絶景や一瞬の感覚を私たちに与える。砂漠に立ったとき、そしてそれを終えて日本でふと振り返ったときにどのような感情になるかは予想できない。もし、VRが高度に発達して、部屋にいながら同じ砂漠の中心に立てたとしても、手にいれられるものは多くはないだろう。
現地の空気を吸い、食を味わい、現地人と交流し、辛難辛苦のはてに辿りついたその場所に何が待っているかは誰にもわからないが、そのプロセスが、旅を特別なものにする。
どうせなら、思いっきり砂漠に包まれよう。
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