こんにちは。ライターのSASAKENです。
気づけばこのサイトの記事数も100を超えたようです。いつも皆様ありがとうございます。
今回は、2017年の韓国自転車旅行、3日目の様子をお届けします。

前回の記事はこちらからご覧ください。

Contents

3日目 尚州から忠州まで

 この日は、尚州(サンジュ)から忠州(チュンジュ)までのおよそ120㎞をはしり、かつ548m地点にある、梨花嶺トンネルを超えていく日。この旅で唯一の山越えDayです。
 この旅で最も過酷な日になることは間違いありません。朝から我々の士気は低く、到着するか不安な朝でした。コンビニで補給を済ませ、固いサドルにまたがり、ペダルを漕ぐという単純作業に入ります。

 この日は昨日まで乗っていた洛東江自転車道を離れて、セジェ自転車道という尚州から忠州を結ぶおよそ100㎞のサイクリングロードを行きます。

セジェ自転車道

 naver mapのサイドメニューで自転車を選択するとサイクリングロードが表示されるので洛東江自転車道と間違えないようにしましょう。ここで間違ってしまうと、ソウル方面ではなく韓国東部へ向かってしまいます。

サイドメニューの自転車にチェックを入れるとサイクリングロードが表示される

最高の景色にであう。

 セジェ自転車道に入り、昨日と同じような河川敷の進んでいた我々でしたが、その途中の小高い丘で恐らくこの旅で最高の景色に出会うことができました。
 川の水面に快晴の空が反射され、川と私たちがこれから進むであろうサイクリングロードがどこまでも見渡すことができる素敵な景色でした。
 その展望台は存在感の全くないものでしたが、見逃さず上ってよかったと感じるスポットでした。皆様も韓国縦断の際はぜひご覧ください。

いい景色だ
河はいい

この日の序盤は河川沿いでなんとなく我々が釣りをしたくなるような川のそばを走ることが多く、海外にいながらノスタルジックな心象を持っていました。この柵のない橋(下の写真)なんかもなかなか趣深く、つい足を止めて写真を撮ったりMVを撮影したりと創成川にいたころを思い出させてくれました。
 しかし、韓国の風景いいなあと思っていた我々にこの旅一番ともいえる事件に出会うのです。

反日感情を感じる

緊迫のシーン

 サイクリングロードは途中から車道と共有の道となります。おそらくnaver mapでサイクリングロードの線が点線となっているエリアです。
 この日も快晴でとても暑い日でした。昨日は水不足に悩まされたので、この日は道端にあるちいさな商店で補給を買いつつ、休憩することに。
 店の店主らしき男性がどこから来たの?と聞いてきたので、日本と答えました。その時はああそうかー、自転車で来たなんてすごいねー的な会話で終わったのですが、いざ自転車に再騎乗して走りだそうとしたときに、いかにも地元の中高年集団に話しかけられ、
「どこから来たんだ?中国か?」
「日本です」
と答えると、真顔で大きな×を両手で表現しました。
 最初は何のこっちゃさっぱりわかりませんでしたが、その場にただならぬ雰囲気を感じ、逃げるようにその場を去りました。
 おそらく、あれは反日感情を表現していたのだという考えに至り、これまで感じたことのない感情を得ました。
 報道で反日感情の高まりは知っていましたが、いざその感情を個人に向けられたときに、それを怒りに変換したり、悲しいと感じたりするほどに私の中では国家というものが意識されていなかったのでしょう。そこにある感情はなんとなくそわそわした不思議な物だったと記憶しています。
 ここから、旅の緊張感は少し高まり、自分たちが日本人ではない設定で旅を進めた方がいいのではないかとさせ思いました。

峠越え

ついに峠越え。過激回。

 思いもよらぬところで反日感情にさらされた、我々はその後もひたすらペダルを漕ぎ続けます。
 聞慶市という歴史的に重要な地に至ります。この地は、韓国を南北に分ける重要な峠が存在し、交通、そして国防の意味としても重要な意味を持つ場所です。
 セジェというのは鳥も飛んで超えるのが難しいという意味だそう。
 聞慶セジェ道立公園は、李氏朝鮮時代に築かれた関所や大きな城壁を見ることができるそうです。また、時代劇に用いられるオープンセットもあり、韓国の時代劇が好きな方は必見に値することでしょう。
 聞慶門をこえ、梨花嶺を目指します。勾配は結構きつく、汗は滝のように流れ、それぞれの精神が崩壊し、お互い何を言っているか分からないような会話が続きます。
 なんやかんやあって、梨花嶺に到着しました。サービスエリアのようなところがあり、ソフトクリームなどを楽しむことができます。

謎のクリーチャーがいるぞ!

 梨花嶺を超えると、しばらくは下り。下りきったところで忠州まであと30㎞程です。ここから先の道は、きれいな渓谷が多く、その間に流れる川で人々が水浴びやキャンプを楽しんでいました。私たちも便乗して川遊びをしましたが、私はスマホを水没させたうえ、足を怪我してしまいました。

ロードバイクお兄さんが出現

ハングルゴヌンチョグンバッケモッテヨ

 さて、水遊びを楽しんだ我々は、忠州まで一気に走ってしまいたい所。今日のサイクリングロードは車道と共用のエリアが多く、道が時々分からなくなります。道が少し分からなくなり、右往左往していると一人の韓国人のロードバイクおじさんに話しかけられました。
 先程、反日感情をぶつけられた我々はいやがおうにも警戒心が高まります。そのロードバイクおじさんは英語で
「どこに行くんだ?忠州か?ついてこい」といって我々をけん引して、忠州まで一直線の場所まで案内をしてくれました。
 旅序盤のチョコバーの一件、ガソリンスタンドで水をくれたおじさん、そしてこのロードバイクおじさん…。韓国の方は反日感情持っている方もいるが、親切な方に会う可能性が非常に高い。そんな印象を受けます。ありがたや。
 ロードバイクおじさんの爆速けん引によって忠州までたどり着いた我々は、モーテルにチェックイン。
 近くの食堂で300円くらいでクッパらしきものを食べてご満悦。明日は自転車行程は最終日。ソウルを目指します。
たぶん続く。

著者情報
Writer,Driver
Age 25
Japan
 元4桁のフォロワーを従わせているツイッタラー。現在はツイッターからWebライターへ活躍の場を広げている。上り坂で無類の脚力を発揮するが無理な計画には断固としてNOを突きつける。釣り好きが高じて動物観察を趣味としているが、獣医師ではなく、医療従事職を目指している。

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