海外で自転車旅行をすることは端的に言って「危険な行為」です。リスクの少ない日本で暮らしながら、パッケージツアーで管理された旅行プランを楽しむ人生は懸命です。わざわざ海外で、わざわざ自転車で移動するなど、合理的な判断ではありません。多くの人が自転車の楽しみ方も海外の楽しみ方も他に沢山あるにも関わらずわざわざ海外自転車旅行をするのか疑問に思っているはずで、その感覚は正しいです。それでもあなたが海外自転車旅行に行く際は、その感覚を忘れてはいけません。ロマンを実現するためには現実のリスクにしっかりと向き合い、備え、管理する必要があります。

このコーナーでは、EPC唯一の社会人メンバーとしてリスク管理を専門としているKATOHが海外旅行を自ら企画・準備・遂行する際に必要な情報を記事にしていきます。

今回は忙しい日常の中、旅行の際に確実に準備をしなければならない最重要事項をまとめます。

海外にいく際に何としでも確保して置いて欲しい3要素は、IFC: Identity, Fainace, Communicationです

Identity 身分証

日本においては、あまり意識することはないかもしれませんが、身分の保証は入国時に必要なだけでなく、自身の安全の為に重要です。あなたがどれだけ高潔な人だったとしても、外国では身分不明の場合は、不法移民やテロリストである可能性があるものとして不当な対応をされる可能性があります

パスポートの取得

パスポートの更新、発行には2週間程度かかります。また申請の際には、住民票取得等依存関係のあるタスクを遂行する必要がある場合があります。地域によっては平日の昼間しか対応していない役所も多いため、仕事や学業との折り合いを付ける必要があるため、最優先で対応しましょう。

パスポートの有効期限も今一度確認しましょう。

ビザの取得

渡航先の国によってビザの取得が必要な場合があります。身近で代表的な例はアメリカに渡航する際に必要なESTAという旅行者用のビザです。US関税・国境警備局は公式サイトにて出国の72時間前までの申請を推奨しています。

運が良ければ申請翌日に承認される場合もあるので、万が一空港に到着して申請もれに気づいた場合は、諦めずに飛行機を翌日に振り返ると間に合う場合もあります。

ただし、諸条件によってはESTAの申請が降りない場合があります。犯罪歴・薬物使用歴がある場合や過去にUSにてビザ切れ(ビザの有効期間を超過して滞在してしまった)や米国にて職務質問を受けたことがある、過去に危険な国に長期または複数回渡航した事がある場合など、基準は曖昧なので、なるべく早めに申請をしましょう。万が一申請が降りない場合は、アメリカ領事館に面接を受けに行く必要がある場合があります。

Finance 資金

旅行を快適かつ円滑に遂行する為だけでなく、トラブルの際お金で解決することは常に選択肢の一つとして考えるべきです。

クレジットカード

海外旅行の際はクレジットカードはほぼ必須です。理由は以下

  • 多額の現金を持ち歩くのは、盗難・強盗・紛失のリスクがあるため危険であるため

現金はもっとも狙われやすいものです。万が一被害にあった場合に旅行が継続できなくなるだけでなく、自身の生命を無用なリスクに晒すことになります。

  • 現金が対応していない店舗やWebサービスでの決済のため

国によって、キャッシュレス決済が広く普及しており現金をそもそも取り扱っていない店舗が多い国があります。例として、アメリカ西海岸、中国、シンガポールなどがあります。また、旅先でのオンライン決済の際、日本におけるコンビニ振込のようなシステムはありませんので、クレジットカードが必要です。飛行機やホテルの変更や、Uber, Grabなどのライドシェアサービスの利用などが想定されます

  • 予期せぬ出費に対応するため

想定外の出費はほぼ必ず発生します。飛行機における想定外の超過料金やボッタクリ、事故や病気による医療費、不当逮捕の際の弁護士費用や罰金などです。不確実な要素であるため、予備の予算を含めて現金を持っていったとしても、現金が底をついた際に、海外で現金を調達するのは難しいです。また、ケースによってはカード付帯の旅行保険がある場合があります。

クレジットカードの事前準備

  • インターナショナルカードであることを確認

カードによっては、海外使用に対応していない場合があります。現地ではただのプラスチックの板になってしまうので、利用規約の確認やカード会社に問い合わせる等の確認をしましょう。

  • カードのブランドはVISAとMASTER CARDをそれぞれ用意

店舗や地域によって、一部のブランドしか対応していない場合があります。また、盗難や、上限で使えなくなってしまうリスクも考慮して、それぞれ用意しておくことが望ましいです。例えば南アフリカのケープタウンではMaster Card が幅を利かせており、VISAが使えない店舗が多くありました

  • 上限金額に注意

旅行の準備の際には、航空チケットやホテル予約などの大きな出費が重なることも多く、思ったよりも上限金額ギリギリになっている場合があります。航空チケットと現地の消費のカードを分ける、カード会社に連絡し一時的に上限金額をあげる、航空チケットを早めに取得し会計期間が重ならないようにするなどの対応が必要になります。

  • キャッシング機能

カードによっては、キャッシング機能(現地のATMで現金を引き出すことが可能な機能)がついている物があります。空港で両替して多額の現金を持ち歩くことを避けることができるため、機能を有効化することを推奨します。機能があるかどうか不明な場合、カード会社のカスタマーサポートに問い合わせてみてください

現金

基本的に海外では、支払にはカードを使用することをお勧めしますが、店舗や地域によってはどうしても使えないところがあります。特に、電車・バス・タクシーなどの交通機関や、露店や市場、田舎の地域などです。また、国によってはカジュアルに賄賂が横行している場合があります。物乞いやボッタクリに安易にお金を払うことは避けるべきですが、身の危険を感じた場合には賄賂を差し出せるように数千円程度の現地通貨を常に携帯しましょう。その際にはメインの財布と分けた上で、使用期限の切れたクレジットカードなどを入れておくと良いでしょう。

Communication 通信

添乗員なしで旅行をする場合に、確保しておきたいのが通信です。観光地であれば、Free Wifiも展開されており、海外旅行先では、スマホを機内モードにしたままWifi通信のみ行う方も多いかと思いますが、海外自転車旅行の際は、独自の通信の確保は必ずしておいた方が良いでしょう。理由は以下

  • 自分の位置を見失わないため

一般的なパッケージツアーを利用する場合と異なり、自転車海外旅行はFree Wifiの展開されていない地域にいることが大半です。普段のスマホ中毒から解放されるのは結構なのですが、インターネット回線がないとGoogle Mapが十分に使用できません。見知らぬ土地で、Google Map無しに行動するのは、不可能ではないもののかなり難しいでしょう。

  • セキュリティ上のリスク

Free Wifiには様々なセキュリティ上のリスクがあります。全てのFree Wifiが危険なわけではありませんが、通信内容を傍受される恐れがあるため、Facebookなどの個人アカウントへの認証やオンライン決済などを行うときは使用を避けた方が良いでしょう。

  • 緊急通報

交通事故に会ったときや犯罪に巻き込まれた時、緊急通報が必要になります。もし、FreeWifiやモバイルルーターのみに依存していた場合、電話を使用することができません。グループに一人は現地で使用できる電話番号を用意しておきましょう。具体的な方法については別の記事にまとめます。

以上、旅をするうえで重要なIFCでした。旅行に出発する際に、「なんか忘れた気がする」とか「どんなに準備しても心配」という方も多いかと思います。すべての不安を解消できるに越したことありませんが、投入できる時間や予算のリソースは限られています。細かいことに気を取られて、肝心なことを忘れないように、選択と集中が重要です。


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