今日は路地についての話を書こうと思います。
Wikipedia によると路地とは「密集市街地などに形成される狭い道や家と家の間の狭い道、通路などをいう。」(狭義)

デルフォイへの登りを目前に水、食料が尽き、全く人影のない村の路地裏に迷い込み途方にくれる。のちにそれはシエスタのせいである事に気がつくのだった。ーギリシャ

みなさん、海外旅行に行ったときなにに注目しているでしょうか。観光名所や、自然、人など色々あるかと思います。その中でも、ローカルの空気感を感じる事に注目する人は、結構多いのではないでしょうか。ほら、あえて地元の人がいくガイドブックに乗っていない店とかで、冒険したくなるそこのあなたです。

そんなローカルの空気を反映する都市機能の一つが「路地」だと思います。
気がついたら路地裏の真ん中で、一点透視図法の写真を撮りたくなりませんか?

路地の魅力

道に迷う我々ー九份、台湾

メインアベニューとか大通りから離れて、縦横無尽な路地裏を歩けば気分は地元の人。迷路のような路地裏の探検で、気分はちょっとアリスインワンダーランド。そんな高揚感、異国情緒が路地にはあります。

路地の特徴の一つは、目に入る情報量の多さです。両サイドに迫る建物は、その建築技法や建材が国や地域によって異なります。また、道に出された私物、建物間に架けられた洗濯物。タバコをふかすおじさん、走っている子供、住居から聞こえる生活音や祈りの声…

建物の間に渡された謎の装飾ーギリシャ

そんな路地に感じる異国情緒は世界共通のようで、日本の路地裏も外国人観光客に人気のようです。京都市は観光資源としての価値から、路地の保全に意欲的です。

消えゆく路地

多くの路地は道のギリギリまで私有の建物なので、地権者、建物の所有者との協力が不可欠であるわけですが、地元民は必ずしも路地の維持に意欲的ではない様です。その背景には路地の歴史があります。日本では、路地は下町に多くみられますがそれは歴史的には階級制度を反映した都市構造の名残であり、かつての裕福な家はより広い土地と庭を保有し、外部境界には塀を設ける傾向があります。この様な歴史的背景に加え、多くの場合路地は自動車の交通を考慮されていませんし、木造建築が密集する日本の路地は防災の観点でも課題があります。路地に面した建物の所有者の中には、近代都市計画を望む声も一定数あるのが事実です。

セットバックとは|不動産用語を調べる【アットホーム】
幅員4mに満たない道路では、一般的には建替え時に道路の中心線から2m後退して建築しなければならない(セットバック)

しかし現在の建築基準法では、「幅員4mに満たない道路では、一般的には建替え時に道路の中心線から2m後退して建築しなければならない(セットバック)」というルールがあります。セットバックの義務により、多くの路地に面する建物は再構築を行うと各世帯の敷地が狭くなってしまうという問題があるため、なかなか再構築が進まず、幸か不幸か路地の景観が守られるという状況もあります。

最近では観光的価値、歴史的価値に加えて、路地が持つコミュニティとしての価値への注目も集まっています。とはいえ、防災、防犯の確保、住民の意向を反映することはまちづくりにおいて重要です。近代都市計画と路地の保全という二項対立に止まらないまちづくりの方向性が求められていくことになるでしょう。

著者情報 KATOH
東京在住 いつか事故る担当
昨年、EPC初の社会人メンバーとなったKATOHです。普段は東京で刺身にたんぽぽを乗せる仕事をしています
少しでも読者様の参考になれば幸いです!


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